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 出版不況下でも活況が続くライトノベル市場で、旧作の掘り起こしが熱を帯びてきた。
数年前のベストセラーが意外な出版元から再度刊行され、入手困難になった作品を
復刊させる動きもある。背景を探ると、ライトノベルならではの事情も見えてくる。

                
 司馬遼太郎や池波正太郎といった大家の歴史・時代小説や骨太なノンフィクションで
知られる文春文庫が7月、ライトノベルのベストセラー作品を新たに売り出す。
橋本紡(つむぐ)さん(45)の『半分の月がのぼる空』(1、2巻)。
高校生の男女をアニメ風に描く表紙イラストは、中高年の読者が多い硬派な文庫に
収まると、ひときわ異彩を放つ。

 ◆古びない青春小説

 電撃文庫(アスキー・メディアワークス)でシリーズ全8巻の刊行が始まったのが
平成15年。難病に侵された女子高校生と同じ病院に入院した少年の純愛物語は、
アニメや実写映画にもなり、シリーズ累計で約160万部を発行している。
文春文庫は平成22年に発売された完全版(上下巻)を全4巻に再編集し、
9月までに順次刊行していく。

 「キャラクターの個性が際立ち、古びない魅力のある青春小説。
意欲的なコンテンツの投入で、文庫の読者層を10~20代にまで広げられれば」
と、文春文庫の花田朋子編集長は語る。

 ライトノベルの旧作投入には、有能な書き手のスカウトという側面もある。
直木賞作家の桜庭一樹さん(41)や、作品の映像化が相次ぐ有川浩さん(41)ら
ライトノベル畑でデビューした後で活躍の場を広げていく書き手は少なくない。
花田編集長は「一般の文芸作品と親和性を持つ作家さんには積極的に声をかけて、
人気のシリーズ作品を生み出したい」と話す。

 ◆名作を若い世代に

 古参レーベルも、旧作の発掘に力を入れる。今年創刊25周年を迎える
角川スニーカー文庫などを抱える角川グループホールディングス
(現・株式会社KADOKAWA)は6月、アニメ専門店を展開するアニメイトと協力し、
品切れ・重版未定のライトノベルを復刊するプロジェクトを始めた。
「名作がいくつもある過去のライトノベル作品を今の若い世代に少しでも届けたい」という。
復刊するのは、11年に初版が出た『カウボーイビバップ』(横手美智子著、角川スニーカー文庫)など
計4タイトル。9月までに順次復刊しアニメイトグループの書店などで販売する。

 出版科学研究所によると、文庫市場に占めるライトノベルの割合は、
平成16年の16・4%から昨年は21・4%にまで伸びた。
23年の講談社ラノベ文庫創刊をはじめ大手の参入も相次ぎ、活況が続く。
その一方で、新規参入に伴う新刊点数の急拡大により「埋もれてしまう作品が増え、
売れ行きの二極化も進んでいる」(出版科学研究所)との指摘もある。

 復刊プロジェクトを担当するKADOKAWAの水上賢治さんも
「シリーズ物が主流のライトノベルは刊行ペースが速く、映像化作品の再放送で
せっかく注目されても、原作やノベライズ版が入手できない例もある。
過去の名作を復刊することで、一般の文学作品のように親子で読み継ぐ環境が
できればうれしい」と話す。

 物語性に富み、キャラクター造形が個性的なライトノベルは、アニメやゲーム、
映画とのメディアミックスの相性がいい。機をとらえた復刊が根付けば読者の裾野は
さらに広がりそうだ。

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